エキストラ体験記(笑)


大変な偶然から、全くのド素人であるところのワタクシすばるが、
とあるビールのコマーシャルにエキストラで出演する事になり、
その撮影の体験談などをここに語ることに致しました・・・。



はじまり

さて、それは二千年弥生のとある週末の事でした。
知り合いの知り合いの知り合いの…、という大変遠まわしに今回の話が
転がり込んできたのでした。

ちなみに、最初に言われたのが

1・とあるビールのコマーシャルである。
2・S県M市で撮影されるものである。
3・時代背景は明治時代の予定である。
4・ギャラはXXXXである。(一応伏せる)
5・基本的に、ただ座ってれば良いものである。

・・・という内容です。
何故、5番が太字なのかは追々読んでいただければわかるかと思います。

今回、たまたま無職だった私と、弟夫婦、母や母の友人が数名、参加する事になりました。



撮影一日目

撮影当日、待ち合わせ場所に行ってみると、かなり大勢の人が来ていて、とにかく詳しい話を まるで聞いてない私たちは、流れるままにバスに乗り、わけのわからないまま撮影現場に 到着してしまいました。これが間違いの始まりでした。


結局、誰がまとめてくれるのか分からないまま、色々な人の色々な話に翻弄されつつ、 あちらこちらにふらりふらりとしているうち、「衣装が足りない」という事態になり、 私と母は男物の衣装を着ることになりました。(私はそれなりに楽しかったが、母は 大変不満だったらしい…ように見えた気がする。笑)

おまけにこの日は、猛烈に寒く、ペナペナした撮影用の衣装は、これっぽっちも防寒の 役には立たなかったのです。(設定時期6月頃の衣装なのです。)

まーそれでも、色々立ち位置を決めたり、お弁当を食べたりと、あったのですが。
結局の所、天気がとても悪く、撮影なんてとても出来ない、という状態になったため、
解散と言う事になりました。明日来れる人は来て欲しいと言う事で、私達もまた明日 くる事になりました。

明日は女物を着せて欲しいと係りの人に言ったらあまりはっきりしない返事。
でも、衣装の人に「明日は女物着るようにって言われましたぁ」とかってでたらめ 言ってみた所、「誰に言われたの?」とか不信に見られつつ、なんとか女物ゲット。
その時はまだ、それが、明日の悲劇を招く事になるとも知らず・・・・。




撮影ニ日目

↓参考映像↓
クリックすると大きい画像が出ます。
S県M市の撮影現場

昨日の失敗を踏まえて、今回はちゃんと指示を待ち、現場に到着し、そ知らぬ振りで 昨日ゲットした女物の衣装を身に着け、颯爽と現場へむかいました。

明治時代と言う事で、女性のほとんどは着物にあげ髪だったのですが、私がゲットした 衣装は(何箇所も破れてボロボロだったにせよ)、鹿鳴館で踊ったりしてたみたいな女性の 洋装だったのです。

そして、昨日の帰りに知ったことだったのですが、この撮影に参加してる人達はみな、 養成所やプロダクションに所属している、「こっちの世界のヒト」ばかりだったのです!
「なんとかたくさん映りたい!」「目に留まりたい!」と、必死の人たちだったのです!

とゆーわけでぇ・・・。
目立たない地味な着物を着せられた「女優の卵」さん達の、痛いまでに鋭いマナザシがこの ワタクシに注がれる事に(涙)わ、わ、私が悪いんですか、悪いんですかぁぁ・・・

そんな中、上手い事目立たない後ろの方に配置になり、(でも鋭いマナザシは健在…) ほっとしていたら、さらに悪いことが起きてしまいました。

なんかすっごく美人な方が、やっぱり素敵なドレスをお召しだったんだけれど、さらに素敵な ドレスと同色の小さなパラソルを持っていたのですが・・・。

あ、予想が付きましたでしょうか・・・(笑)
まあ、カメラリハーサルなどしていて、色の具合などを見つつ、人の配置を替えたりしてた時、 「あ、そのパラソル、隣の人が持って」という指示が出て、みなの憧れのパラソルは、美人の隣の 着物の女性の手に。・・・と、さらに指示が出て、「やっぱその後ろの人」・・・と、私の 前にいた着物の女性(マナザシ度・強)のところに。しかしさらにその後に
「やっぱり、その後ろの洋装の人持って」「あたしかぁぁぁぁぁ!!(心の声)」

↓参考映像↓
クリックすると大きい画像が出ます。
わ、わ、私が悪いんですかぁぁ・・・

マナザシの強さ倍率ドン!、さらに倍!!って感じで、もはや視線が見えそうです(涙)
おかげで撮影終了後から、翌日の午前中一杯まで胃痛に悩まされました。
私としたことが、かなり堪えたらしいです(笑)



ストーリィ

さてこのCM、一応簡単なストーリィになってまして、どうやら明治時代の 日米親善野球のお話らしいです。(説明が無かったので推測です)

日本チームはボロボロに負けていて、ほとんど勝ち目はありません。
応援に来ていた観客も、ほぼ諦めにも似た気持ちで悲痛な応援を続けます。

ところが、五回、ついに日本の投手が0点で押さえます!
感極まった三塁手と、そして見ていた観客も、思わず投手に駆け寄ってしまう!

・・・と、おおまかにはこんな感じです。
他にも、投手の彼女役と思われる美人女優さんが祈るように応援しつつ、あまりの プレッシャーに意識を失ってしまうシーンなどがあったりしましたが、実際 どのように編集するのか、ストーリィは良く分かりません。

↓参考映像↓
クリックすると大きい画像が出ます。
日本チーム投手
ハカマダクンと呼ばれてた、投手役の俳優さん。
知らなかったけど、有名な方の様ですね!肖像権があるのでボカシいれてみました(^^;)
得点、見えますでしょうか?


撮影の様子


いやもう・・・。撮影なんて、私なんかはじめてと言っても良いくらいです。(実際には 小学一年生の時子供番組に出たことがあるのですが、ほとんど記憶にありません)

「基本的に、ただ座ってれば良い。」
と、言われていたのに、なんか話が違いました。どういうわけか、色々な指示が来るし、 第一座らせてもらえないぞ〜(涙)マナザシ痛いし、どうなってるんだ〜!!
と、思わず話を持ってきた人を恨んでみたり、みなかったり。

なんだか、とにかく
「いいですかぁ!日本ボロボロに負けてマース!みなさんは必死で応援して下さいねー、 必死ですよ?じゃあ、シーン1、テイクワン、45コマァ!応援スタートッ!」
とか言われるんですよ!!がんばれぇ〜、とか叫んで手をたたいたり、拳を突き出したり したわけなのですが、「カアアットオオオオォ!(手でXをしながら駈け寄り)あのさあ、 負けてるのね、もうぼろ負けな訳。なぁんかさあ、楽しそうなのね、みなさん。楽しくないでしょ 負けてるんだから。もっと悲痛な感じ、分かる?笑顔禁止ね、こう、何やってるんだ的な。 じゃ行くよ!シーン1、テイクツー、90コマァ!!」(カチンッ←ガチンコの音)





「はーい、今の感じ忘れないで次で決めようかな〜、いいねぇ頼むよー!じゃあシーン1、 テイクテン、45コマァ、応援スタアアアアァートッ!!!」(カチンッ←ガチンコの音)
テイクテンまでやりましたとも(涙)必死の応援を、テイクテンまで・・・・(涙)
そして次の指示を聞いて涙も止まりましたとも・・・
「はぁ〜い、今のシーンカメラ位置変えてもう一度ォ!!!」
「やめてええええぇぇぇぇ!!!!!もう帰るううぅぅぅぅ!!!(滝涙)」

↓参考映像↓
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説明を受けている所

私(左)と私の母(右)が映っています。母の方は撮影中座れたのです。



そんな調子で、日が沈むまで撮影は続きました。しかも、今日だけでは終わらなかったのです! さすがに、2日連続参加したため、明日はもう来るまいと思いました。もちろん、体力的よりも 精神的な理由による所の方が多いのですが(苦笑)






おわりに


以上のような工程を経まして、エキストラ体験記を書こうと思い至ったわけでしたが。

みなさん、テレビコマーシャルって何秒だかご存知ですよね?・・・たいてい15秒、長くても 30秒だと、私は記憶してます。それが、その撮影ともなりますと、こんなにもたくさんの 時間と労力と(あとお金)をかける物なのだと、感心した次第です。

私は、一番端っこなので映るとしても一瞬、からだの半分くらいだと思うのですが(もしくは 映らない)、今となっては良い経験させてもらったな〜と、思・・・うことにしてます(笑)

もしまた、同じような話があったとしたら・・・・どうしよう、もうコリゴリという気もします ・・・・・が、ついうっかり乗ってしまうかもしれません(笑)

なんにせよ、放映が楽しみです。だいたい5〜6月頃だという話なのですが・・・。


おわり


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